さんま(三つの間=時間・空間・仲間)を大切に
立春間近。この先、三寒四温を経て少しずつ本格的な春に近づいていくことと思います。感染症の収束とともに待ち遠しいです。朝夕の寒さが厳しくなってきている中、園では日頃の寒さはなんのその、園庭で元気に遊ぶ子どもたちの疲れ知らずのパワーには驚かされるばかりです。しっぽ取り、かけっこ、フラフープ、縄跳び、竹馬、サッカーなどのボール遊び、ブランコ、滑り台などの遊具遊び、砂場遊びといった遊びに加え、「おたのしみかい」で披露する曲がかかると該当のクラスの子どもたちは、場所を問わず、先生とともに条件反射のように、楽しそうに踊り出すといった光景が日々見られています。どの学年の子どもたちも、多くの友達と関わりながら、たくましく成長しています。子どもたちは、それぞれ自分の思いを実現するために、時には少人数で、時には「群れて」、園庭で元気に遊んでいます。
さて、「群れて」という表現をしましたが、何年も前より、子どもから「さんま(三つの間)=「時間」(遊ぶ時間がない)「空間」(遊ぶ場所がない)「仲間」(遊ぶ仲間がいない)」がなくなったと言われています。確かに、習い事をする子が増え、自由に遊ぶ時間が少なくなったり、安心して遊べる場所が少なくなったり、大勢で遊ぶ友達がいなかったりの状況は改善されないばかりか、緊急事態宣言が発出され、不要不急の外出を控えるようにといった状況も重なって、家に帰ってからは、さらに外遊び(上達することを目的にするのではなく、自由に子どもたちが楽しみ、考えながら体を動かす遊び)がしにくくなっているのではないでしょうか。そういったことを考えると、幼稚園での外遊びを中心とした遊びの重要性は、ますます高まっていると思います。同年齢の子どもだけでなく、異年齢の子どもとも関わりながら遊んだり、活動したりすることで、成長の上で最も大切な「目標を達成するために、最後までやり抜く」「友達と協力して目標の実現に向けてやっていこうとする」「感情をコントロールする=失敗してもめげずに自分を励ましてなんとかやれる」といった能力が身に付くと言われています。残り少ない日々ですが、幼児期にこそ育てなければならない能力を育んでいければと思っています。
園長 小林 稔